アイズの独り言

3月4日パリの朝、サンジェラリーでの転倒の痛みをこらえつつ出発の準備をする。昨日は相変わらずに速度の速いACBOの走りについてくのがやっと、何度もちぎれそうになりながら走っていた。そんなハイスピードでちょっとよそ見をしていて転倒してしまったのである。幸いなことに自転車へのダメージはたいしたことはなくニス塗のバーテープの一部が裂けてしまった程度で済んだが、腰と膝をしたたかに打った痛みが残っている。まずは着替えを詰め込んだパニアをザックに入れて背負い、残った荷物はホテルに預けて出発する。

 

 

予めルバロアのホテルからモンパルナス駅までのルートはグーグルマップを使って下調べ済のコースである。不慣れな右側通行ではあるがまずは凱旋門を目指して走る。凱旋門はそれを中心に放射線状に12本の通りが伸びているが、車はその直下の道を廻って自分の行くべき道へと進路をとるのである。以前は凱旋門直下をグルグルと廻るたくさんの車と一緒になって自転車も走っていた。それはロータリーのない国からやってきた私には恐怖の12差路であった。しかし現在はその一廻り外側に自転車のための専用路が用意されている。放射状に延びた通りを横切るその道には信号機が用意されていてきわめて安全に自分の進路を選ぶことが出来る。これもコロナ禍によってパリ市内の多くの車道を自転車専用道にしたパリ市の施策のおかげである。

 

 

 

凱旋門からかのシャンゼリゼ通りへと進路をとり、ジョルジュサンクを右折してセーヌ川を渡る。左岸を川下へ向かって走るとすぐにエッフェル塔が見えてくる。そういえばサンジェのオリビエ氏が彼の育った店の近所のアバルトメントは元々エッフェル塔を建てるための工場があった場所だと云っていたことを思いだす。エッフェル塔のちょっと先にパリの日本館がありフーテンの寅さんの大きなポスターがかかっているのが見える。そこからは地上に走るメトロの高架に沿って行けばモンパルナス駅にたどりつける。

 

 

モンパルナスの駅前は公園のようになっていてゆったりと輪行することが出来る。ちょうどベンチのようになった階段状のスペースがありそこに自転車を立てかけて袋詰めである。ここもあらかじめグーグルのストリートビューで目星をつけておいた。輪行が完了したら駅ビルの中のチケット発券機に予約コードを打ち込んで乗車券をゲットする。そうそう、TGVは予め予約してそのまま載せることともできるがこれは有料サービスである。輪行すれば予約なしの料金なしで持ち込み可能だ。ただし荷物置き場は意外と狭く2台の輪行袋を置くのには難儀する。

 

 

始発パリから終点トゥールーズまでは4時間半ほど、お昼の駅弁ならぬバゲットのサンドイッチを買いたいところあるが、ホームの途中に改札が出ていて混んでおり、輪行袋を抱えたまま購入する場所もなく着座することになってしまった。やむをえずツーリングのために用意した非常食で昼をしのいだ。道中は数駅にとまるだけで終点のトゥールーズには難なく到着。迎えに来てくれたイデアルのフレッド氏が見守る中、乗ってきたTGVの停車したホームで輪行解除することが出来る。乗車客の去ったホームは閑散としてこれまたゆっくり組み立てられる。この日は駅前のホテルにチェックインしてからフレッド氏に連れられて自転車でイデアルの工房を訪れた後、雨の中を市中心のレストランまで走っての夕食であった。

 

 

 

親方


ゴールデンウィークも過ぎ去り、少しほっこりしている方も多いのではないでしょうか。

私も特に昼食後のこの時間帯がたまりません。お腹もいっぱいだし、春の陽気でポカポカしてついつい居眠りしたい衝動にかられます。

 

でもそこは踏みとどまって、まずは入荷のご紹介。

 

Rene HERSE 1960′ MIXTE

こちらのエルスのミキストは実は先日のフランス出張で持ち帰ってきたものです。古くからの友人のカメラマン、ジャンピェールプラデール氏の紹介で、オーナーであるパリ在住のご婦人から直接買取させていただきました。しかも出張ついでに持ち帰ってきたので送料もかからずこの価格でご提供できるのです。

京王閣のフリーマーケットでも「安い、安い」と評判だったようですが、どんなに良い自転車でも欲しい方とサイズなどのスペックが一致しないとお買い上げいただけないのが難しいところ。実車はしばらくはアイズの店内に展示する予定です。気になる方はぜひ現物を見に来てくださいネ。

 

その他にもエルスのランドナーが数台入荷しています。

これらは多くが委託販売品ですのでオーナー様の考え方が価格に大きく影響しています。でも、これまででしたらどれも売りに出ることのない、希少で素晴らしいものばかりですよ。是非、この機会にご検討ください。

 

また、TOEIフレームと究極の部品構成でお作りしたグランボアもございます。15年ほど前に納車させていただいたものですが、オーナー様のご事情で数年前にお引き受けしたものです。次のオーナー様へ良いご縁がありますように願っています。

GrandBois Type Vintage

 

さて、その他にもずっと欠品していましたクロモリステムですが、25.4mm/60・70・80・90mmのみ入荷しました。アルミステムも少しはお分けできそうですのでよろしければご注文下さい。

 

 

あと、ギャラリーページの更新もできています。

一台は今年のハンドメイドバイシクル展に出展した、黒い部品をメインに組み上げたグランボアでは珍しいセミオーダーモデルです。シルバー部品の供給がいよいよ厳しく、親方としては問題提起も兼ねて作り上げた一台でもあります。

ER Black

 

 

もう一台は2010年に納車したエントリーモデルを大きく仕様変更したポーターです。

こちらのお客様はこの入門モデルを皮切りに数台ヴィンテージモデルをお作りいただき、自転車を趣味として深めてこられた方です。こんな風に自転車を楽しんで使い続けていただけるのは本当にうれしいことです。

さて、この自転車がどんなふうに変身したのでしょう。

是非、ギャラリーページをご覧ください。

 

 

 

5月・6月の予定

定休日 5月13日・23日・6月3日・13日。

臨時休業 5月18日・19日 (ランデヴーアレックスサンジェ)。

あと、5月26日はシクロジャンブルに出店予定で、午後2時ごろまではメカニック不在です。

 

つちやはるみ


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